ファッションデータベース (FASHION DATABASE)

ファッションxデータを軸に、ブランドの比較や、ブランドで買うべき服について紹介します。

本当にオススメな「ニット」のファクトリーブランド22選一挙紹介【随時更新】

最も着心地を感じられる洋服であるニット(セーター)。

春夏ではコットン(綿)やリネン(麻)素材が、秋冬はウール(毛)、カシミア素材が着られることが多いです。

ネックの形のバリエーションも豊富で、1枚で着たり、ジャケットと組み合わせたり、さまざまなコーデができます。

www.modalina.jp

ここでは、ニットをメインに作っているファクトリーブランドを列挙して紹介していきます。

主にイタリアのブランド紹介になります。

ニットブランド比較

イタリアブランドは、南北どのあたりで創業しているかで、大まかに特徴を分けることができます。また同じファクトリーブランドでも、価格帯も大きく異なります。

これらでニットブランドどうしを比較すると、下記図のようになります。

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ニットブランド一覧

こうしてみると、ニットはボローニャウンブリア州など、イタリア中部でよく生産されていることがわかります。

逆に、南イタリアではニットをメインで製作するブランドは、確認した範囲では見つけることができませんでした。ナポリなど、シャツをメインに作っている会社が多いのだと思われます。本ブログでもシャツメーカーの一覧を執筆する予定です。

cavalieri.jp

では、ここから1つ1つのブランドについてみていきます。 

各ブランド紹介(五十音順)

個人的にオススメなブランドには★がついています。

アルジェアーデリバイバル(Argeade Revival)

「モデナの怪人」と呼ばれるファッション界のスター、ガブリエレ・パジーニ氏が立ち上げたニット専門ブランドです。

イタリアの南北ちょうど間くらいの生まれらしく、クラシコ・イタリアを代表するようなデザインになっています。

ただ日本では見かけることも稀なブランドで、実物を見たことは一度もありません・・・

アレッサンドロルッピ(Alessandro Luppi)★

20人くらいの小規模な工場で他社にOEMで服を提供していたところからオリジナルブランドを立ち上げた、THEファクトリーブランドといえるニット専門ブランドです。

無地を中心にオーソドックスなニットを作られていて、非常にオススメです。

日本では粋な着こなしさんが中心に取り扱っており、セールだと5000円~1万円を切るくらいの値段になり、コストパフォーマンスよく購入できます。

オビオスベーシック(OBVIOUS BASIC)

1962年に、ベルガモ(北イタリア)で創業したファクトリーEMMEGIERRE Fashion s.a.sが手掛けるブランドで、最高峰のニット技術を誇ります。

イタリアブランドとしては珍しく、アメリカのスポーティスタイルを取り入れたニットを作っています。

グランサッソ(Gran Sasso)★

1952年に小さな村で4人の兄弟が創業したブランドですが、今ではイタリアでもトップクラスの大きな工場を持ち、年間に数十万枚ほどのニット生産数を持ちます。

数々のセレクトショップで取り扱われ、世界では約100カ国、約3000ものショップで見かける、イタリアを代表するニットブランドと言ってよいでしょう。

ド安定なニットが欲しいならここがオススメです。また比較的多く流通しているため、中古でも比較的クオリティの高い商品を買うこともできます。ファクトリーニットブランドの基準となるブランドとも言えます。

クルチアーニ(Cruciani)

ARNULDO CAPRAIが創業したニット製造会社Maglital社の生み出すブランドです。グループ会社にワイナリー、インテリア、レース会社も所有しており、非常に規模の大きな会社です。

世界最高峰のニット糸製造工場Caliaggi社も傘下におさめており、とにかく生地の質が良いです。同じようなデザインでも、試着すると着心地がまるで違うと思わせるくらいの感動があります。紡績・染色・縫製の全てを自社内で行っており、品質も非常に高いです。

ただニット1着で10万近くするものもあり、なかなか手にすることができません。アウトレットで奇抜な色のもので安くて2万円程度になります。

ザノーネ(ZANONE)

1987年にALBERTO ZANONE(アルベルト・ザノーネ)氏が創業したブランドです。イタリアのブランドは家族や創業者の名前がついているブランドが非常に多いです。

ザノーネは「テクノロジー」や「イノベーション」をコンセプトとしており、時には自社で糸を生産するなど、非常に挑戦的な会社です。独特な質感を持つ生地を使ったニットなどを生み出しています。

KYOTO(現CHIOTO)と呼ばれるスタンドカラーのカーディガンが非常に人気があります。1着持っていますが、タイトめに着られてオシャレで、秋冬に重宝しています。

サンモリッツ(S.MORITZ)★

1978年、イタリア中部のペスカーラで誕生。ニットに精通したカルミネ・フェランテが率いるFerrante Brands srlのオリジナルブランドです。

クオリティの非常に高いニットを手掛けると、デザインなども奇抜になることもありますが、このブランドは非常にベーシックなアイテムが豊富です。

個人的には在宅で最も着たいファクトリーブランドの1つです。

ジョンスメドレー(JOHN SMEDLEY)

産業革命の初期、1784年創業。イタリアニットの歴史とは比べ物にならないくらい、ほぼ最古のニットブランドといってよいでしょう。

30ゲージという軽量かつ網み目の細かいニットウェアが有名で、主にメリノウールとコットンという2種類の素材を使いこなします。着心地の良い柔らかいニットを生産できるよう、ハンドメイドを駆使したり、水にこだわるなど、伝統が引き継がれて今でも最高のニットを製作するブランドの1つに君臨しています。

イギリスブランドですが、クラシコイタリアのファッションで取り入れられることも多いので、こちらで紹介しています。

ズヴェーヴォ(SVEVO)

イタリアはパルマのニットメーカー、かつては世界の名立たるメゾンブランドのOEMを手掛け、42ゲージという超細番手の編み機を世界で唯一所持するなど、その技術や仕上がりに世界一のニットファクトリーとも評されるブランドです。

セッテフィーリカシミア(Settefili Cashmere)★

2009年にミケーレ・パリエーロがフェラーラにて従業員7人と共にスタートした小さな工房からスタートした、比較的歴史の浅いブランドです。

名前の通りカシミアを扱わせたら世界でもトップクラスの実力を持ちます。カシミア以外にも様々な素材を使いこなします。

このブランドの特徴は、世界でも大変珍しいスイス製のビンテージ編立機(Dubied社製)を使い、20年以上のキャリアを持つ専門の職人が仕上げていくことです。独特の雰囲気が出て、見ただけでこのブランドとわかる雰囲気を持っています。

着心地も非常によく、個人的に好きなブランドの1つです。

デラチアーナ(Della Ciana)

独自で開発したハンドメイドによる紡績・縫製技術を持っているなど、非常にクオリティの高いニットを作るTHEファクトリーブランド。

イタリアでは路面店や高級ホテルなどで扱われているなど有名なブランドですが、日本ではあまり見かけません。

ドリューアンドコー(DREW&CO.)

「古典的で洗練されたスタイル」をテーマにしている、比較的新しいブランドです。

デザイナーのAndrea Andreoli(アンドレア・アンドレオリ)が、LAの大学時代にヴィンテージファッションに傾倒したことが原点になっており、アメリカンヴィンテージなデザインエッセンスとイタリアンフィットの着心地の良さを兼ね揃えた、ほかのニットブランドにない魅力を持っています。

バーク(Bark)

ニットのダッフルコートを製作するなど、1点物の生産の様にと言うコンセプトのもと、シーズン毎に最新のトレンドを取り入れ、斬新な商品を生産しています。

パニカーレ(Panicale)★

家族経営からはじまり、OEMを手掛けるようになったファクトリーブランドです。

ハンドメイドを残しつつも、最新の機械や電子機器を導入した編み工場を導入しており、コストパフォーマンスが高いことが特徴です。

バフィー(BAFY)★

1981年に工場を操業し、2003年にオリジナルブランドをスタートさせる、代表的なファクトリーブランドといえます。

あのルイヴィトンのOEMも行っているほど、クオリティが高いです。デザインもシンプルなのでどんなコーデにも合います。

日本でも取り扱いが増えてきたため、安定して購入できるブランドの1つです。

フェデーリ(FEDELI)

1934年に創業した、イタリアを代表する歴史のあるニットブランドです。

高い縫製技術と高級素材に拘ったものづくりが特徴です。1960年代に買い付けた様々な編み機を未だに最先端技術のマシンとして現役で稼働させています。今の技術を持ってしても真似を出来なかったり、パーツがなかったりと編み機を作る事自体が難しく、他のブランドには生み出せない技術を誇っています。

現在ではニットのみならず、ハイエンドマーケットを対象としたジャケットやコートなどのトータルルックを手掛け、幅広いコレクションを展開していますが、ニットメインのためこちらで紹介しています。

ファクトリーブランドながら、定価10万を超えるニットを提供できるブランドの1つです。

ブルネロクチネリ(Brunello Cucinelli)

当時最先端でカシミアニットを製作したブランドで、ニットブランド界の「皇帝」といえる存在感を持ちます。

今ではトータルコレクションブランドとしての地位を気づいていますが、ニットの功績が大きいためこちらで紹介。

ヘリテージ(HERITAGE)

BRUNO’S社が手掛ける代表的なファクトリーブランドの1つです。

伊勢丹のセールでよく出てくるイメージで、価格は伊勢丹で扱っているものの中では比較的手にしやすいと思います。

ディアドラヘリテージなど、ほかのアイテムのブランドでヘリテージという単語が頻繁に使われるため、探しにくいのが少し難点です。

マーロ(malo)

カシミヤニットといえばスコットランド製の商品が主流だった1970年代当時に、斬新なデザインやカラーでスタイリッシュな"メイド・イン・イタリー"を打ち出し、現在ではカシミヤニットの代名詞とまでいわれるブランドになりました。

とにかく最高級のカシミアニットを徹底的に作り出すニットブランドです。ソフトな着心地、独特な色合いなどが特徴で、カシミアが欲しいと思った人の最終目的になりえる品質を誇ります。

ルガーノ(Morgano)

「スティヴァル社」のオリジナルブランドで、THEファクトリーブランドといえるでしょう。

創業以来デザイン、紡績、染色からニッティングまでの全てを自社内で行い、伝統と基本を大切にしながら、シーズンごとのトレンドを踏まえた様々なニットアイテムを提案しています。

BEAMSなどで取り扱いがあり、ファクトリーブランドのニットの最初の1着におすすめです。

ルトロワ(Letroyes)★

「MAILLE(マイユ)」と呼ばれる昔ながらの丸胴編み機を採用しており、サイドの縫い目がないシームレスな作りをしています。

テンションをかけずゆっくり編まれているので、タイトなフィッティングながら、ごわつきを感じさせず段違いに伸縮するニットを作り上げています。

非常に着やすく、リモートワークで着たいブランドの1つです。

フランスブランドですが、クラシコイタリアのファッションで取り入れられることも多いので、こちらで紹介しています。

ロベルトコリーナ(roberto collina)★

イタリアのファクトリーブランドの中でも、有名かつ人気といえるブランドでしょう。

デザイナーが立ち上げたブランドらしく、カラーバリエーションや柄が豊富なことが特徴に上げられます。

50人以上の従業員の内、約半数が35歳未満の女性が働いている若手企業であり、ニットの印象も柔らかいイメージです。専門知識を身に着ける人材育成の為、研修活動のプログラムにも力を入れるなど、企業体制もしっかりしています。

各種セレクトショップなど、置いている場所も非常に多く、1着は持っておきたいブランドです。

ニットをメインで作成する、同じようなメーカーに見えても、歴史などから駒かい特徴があり、面白いです。

ぜひ自分が好きなニットブランドを探してみてください。

更新履歴

2021年6月 新規作成